チャボヒバ曲幹仕立て
安行を代表する庭園樹木を仕立てる技術の一つに、盆栽のように木の幹を曲げて仕立てる「曲幹作り」がありますが、
チャボヒバはその代表的なものです。
この技は「挫き(くじき)仕立て」とも呼ばれています。
まず良い製品にするために日光ヒバを台木にして「生」の良いチャボヒバを接ぎ木します。
その後その苗木が10年から15年たち、高さ4mから5mに成長したら、無用な枝を切り払います。
作業は樹木の水の吸い上げ量が減る正月から2月にかけての寒い時期に行います。幹を特殊なノミで根元から上部直径2cmまで縦に4等分に割り、更に芯を根元から上部まで抜きます。つまり、樹皮・形成層・木部だけにしてしまいます。
空洞になった幹を藁(わら)で包み、荒縄で巻きます。
3人がかりでねじり、3箇所・4箇所と曲げを作りながら支柱に固定していきます。
仕上がりの高さは苗木時から約3分の2となり、その後枝を仕立てて10年ほど手入れし、割れた幹が太り癒合して完成となります。